ESCA算数大改造計画

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算数って得意にすることはできるの?

こんばんは。

本日の授業から帰宅し、演習プリントやら面談資料を作成していたのですが、ある生徒さん(担当クラスの生徒ではない現6年生)からの相談が頭から離れず、今回は頭の整理を兼ねて色々書いていこうと思います。

 

「算数って得意にすることはできるの?わたしには無理でしょ?」

 

 

衝撃を受けました。何を言っているんじゃい!

 

GW前から質問に来るようになった生徒さんですが、担当している生徒さんではないので、「どのような問題の解き方のクセがあるのか。」「どの分野が苦手か。」探り探り説明をしていました。色々話を聞くと、「自分は算数が出来ない。」というフレーズが幾度となく出てきます。うーん。困った。

どうやら自分と担当クラスの生徒さん達の会話を聞いていて、「算数のできない子はいない!」という自分の言葉が気になったようです(笑)

ここで、私が考えている「算数を味方にする」方法を書いていこうと思います。

 

 

中学受験算数は、解き方を覚えるだけの学習では対応できません。

中学受験算数は数学のような体系化された学問ではありません。範囲も広く、入試では見たこともない問題も出てきます。求められているのは、「どのようにアプローチすればよいか方法を見つけ出す力」です。

 

「この問題、前に一緒にやったのに、どうして出来ないの?」。こんな経験をされた方は多いと思います。受験生でもない親が覚えていて、当の受験生本人が覚えていない。どうしてか?


答えは簡単です。大人と子供では、記憶の仕方に差があるからです。


小学生は、まだまだ子供です。(こんなことを書くと生徒達からは怒られそうですが。)やり方を覚えたと言っても、それを大人のように、頭の引き出しに順序よく整理・記憶し、それをいつでも自由に引き出す、ということは出来ません。

記憶を、いつでも引き出せるように、順序よく頭の中に整理・配置するには、その単元全体を理解し、俯瞰(ふかん)するような視点が必要です。

「とにかくくり返しやり方を覚える」勉強法は、全体を俯瞰し、物事を秩序立てて記憶し、それをいつでも引き出せる、<大人の勉強法>です。

 

分からなかったら、図を描く、式を書く、表を書く、条件を書き出す。それでも分からなかったら、全部書き出す、当てはめる。何でもいいから、とにかく今持てる力を全て出して、この壁を乗り越えること。そして自分の一人の力で解けたときには大きな喜びとなり、自信につながります。また、一人で解けた問題は、自分の得意問題になります。この積み重ねが大きな効果を生みだします。

 

 

最後にヒルティの言葉で終わりたいと思います。

 

よく堪えぬいた試練は、もう二度とくり返す必要がない。だが、そうでない試練はまたやって来る。そこで賢明な人はかならずこう言うにちがいない。『一度はどうしても避けられないのだから、今それを十分に、徹底的にやり抜こう。そうすれば永久にそれから自由になれるのだ。』」

【中学受験 算数】 規則性01 入試問題にチャレンジ!

今回は「洛南高付中」の「規則性」を取り上げます。

 

次のように、1から99までの99個の数で、連続する3個の整数の積を97個作ります。
1×2×3、 2×3×4、 3×4×5、 ・・・・・・、 96×97×98、 97×98×99
この中で次のような積は何個ありますか。
(1) 4の倍数である。
(2) 4の倍数であり、8の倍数でない。
(3) 8の倍数であり、16の倍数でない。
(4) 36の倍数である。

 

 

 

 

 

➡解答・解説はこちら!

 

「奇数A×偶数B×奇数C」の形を①型、「偶数D×奇数E×偶数F」を②型とする。

 

(1)

  ①型が4の倍数になるのは、Bが4の倍数のとき。
  98÷4=24あまり2より、①型では24個ある。
 ②型では、DとFがともに2の倍数なので、すべて4の倍数になる。
 97÷2=48あまり1より、②型では48個ある。
 24+48=72(個)

 

(2)

 ①型が8の倍数になるのは、Bが8の倍数になるとき。
 98÷8=12あまり2より、①型の8の倍数は12個ある。
 すると、①型で4の倍数であり、8の倍数でない積は、24-12=12(個)となる。
 ②型では、DとFのどちらか一方は必ず4の倍数なので、4の倍数であり、8の     

 倍数でない積はない。よって、12個となる。

(3)

  ①型が16の倍数になるのは、Bが16の倍数になるとき。
 98÷16=6あまり2より、①型の16の倍数は6個ある。
 すると、①型で8の倍数であり、16の倍数でない積は、12-6=6(個)となる。
 ②型が16の倍数になるのは、D×Fが16の倍数になるときだが、DとFの両方が

 4の倍数になることはないので、DまたはFが8の倍数になればよい。
 Dが8の倍数になるのは、97÷8=12あまり1より、12個。
 Fが8の倍数になるのは、99÷8=12あまり3より、12個。
 ②型で16の倍数になる積は、12+12=24(個)なので、②型で8の倍数であり、

 16の倍数でない積は、48-24=24(個)。
 6+24=30(個)

(4)

 36=4×9より、①型が36の倍数になるのは、Bが4の倍数で、A、B、Cの

 いずれかが9の倍数の場合で、

 7×8×9、27×28×29、35×36×37、43×44×45、63×64×65、

 71×72×73、79×80×81の7個ある。

 ②型は、すべて4の倍数であることがわかっているので、D、E、Fのいずれか

 が9の倍数のとき。

 Dが9の倍数になるのは、Dが18、36、54、72、90の5個ある。
 Eが9の倍数になるのは、Eが9、27、45、63、81の5個ある。
 Fが9の倍数になるのは、Fが18、36、54、72、90の5個ある。
 すると、②型が36の倍数になる積は、5+5+5=15(個)ある。
 7+15=22(個)

【中学受験 算数】 割合01 入試問題にチャレンジ!

今回は、割合(仕事算)を取り上げます。

 

「女子学院中」

 次の▢ にあてはまる数を求めなさい。

ある製品をA,B,Cの3人で作ります。

Aは1時間に30 個作ることができ,2時間の作業後30 分間休憩します。

Bは1時間に24 個作ることができ,1時間30 分の作業後30 分間休憩します。

Cは1時間に20 個作ることができ,休憩はとりません。

(1) 3人が同時に作業を始めると,▢ 時間▢ 分後に200 個目が完成します。

(2) Aが作業を始めてから▢ 分後にBとCが作業を始めると,3 時間32 分後に200 個目
   が完成します。

 

 

 

➡解答・解説はこちら!

 

(1)  60÷30=2(分)……Aは2分で1個作る
    60÷24=2.5(分)……Bは2.5 分で1個作る
    60÷20=3(分)……Cは3分で1個作る
それぞれの作る個数を30 分ごとに調べると下のようになる。
A     15 15 15 15 休 15
B     12 12 12 休 12 12
C     10 10 10 10 10 10
合計 37 74 111 136 158 195
200-195=5(個)
あと5個を作る時間を調べるとあと5分かかることがわかる。
30×6+5=185(分)=3(時間)5(分後)

(2)  60×3+32=212(分)=120+30+62
      212-30=182(分)……Aが作業をする時間
      182÷2=91(個)……Aが作る個数
      200-91=109(個)……BとCが作る個数

   (1)と同様に,それぞれの作る個数を30 分ごとに調べると下のようになる。

      B 12 12 12 休 12
     C 10 10 10 10 10
  合計 22 44 66 76 98
109-98=11(個)
あと11 個を作る時間を調べるとあと15 分かかることが分かる。
212-(30×5+15)=47(分後)

【日能研】 6年 第9回学習力育成カリテ 算数

こんにちは。

 

本日は、【日能研】 6年 第9回学習力育成カリテ 算数 より気になった問題を取り上げようと思います。

今回のカリテは、「売買損益」でした。

得意な子と苦手な子の差がかなり大きく出る分野だと思います。

原価(仕入れ値),定価,売値,利益,損失,仕入れ総額,売り上げ総額,総利益。

それぞれの言葉が何を表すのかしっかり理解しなければいけません。しかし、このような基本的な事柄も子供たちに説明させてみると、意外と言葉につまるケースが多く見られます。

 

「知っている」と「理解している」は大きく違います。

 

「理論的」に「理解」して「運用」できなければ、入試問題に立ち向かうことはできません。日々の授業の大切さを痛感する毎日です。

 

(共通)

 2⃣ (3) 原価が▢円の品物に原価の5割の利益を見込んで定価をつけて売り出しま

    したが売れませんでした。そこで、定価から900円値引きして売ったところ、   

    売ることができ、このときの利益は原価の20%でした。

 

 

 

   ➡解答,解説はこちら!

     

    原価 ① とする。

    定価 ①×(1+0.5)=〇1.5 ➡定価では売れませんでした。

    売値 ①×(1+0.2)=〇1.2 ➡利益は必ず原価に加わります。

 

    〇1.5ー〇1.2=〇0.3=900円

    ①=900÷0.3=3000円

 

  ※基本的な問題ですので、自力でしっかり攻略できるようにしましょう!

 

【中学受験 算数】平面図形01 入試問題にチャレンジ!

こんにちは。本日は図形に関する問題を取り上げます。

2013年 西大和中

 

下の図のように、AB=5cm、BC=4cm、CA=3cm となる

直角三角形ABC があります。さらに、図のように正方形ACDE

と正方形AFGBがあります。このとき、三角形AEFの面積を

求めなさい。

 

 

f:id:yt66-koyama:20160504200422j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

➡解答・解説はこちら!

 

 

 

下の図1のように、FからAE と平行な線を引き、CAの延長との

交点をHとすると、

 

f:id:yt66-koyama:20160504200826j:plain

 

 

 

三角形ABC と三角形FAHは、AB=AF,角ABC=角HAF,

角BAC=角AFH より、合同であることがわかり、

(図1の●+○=90°であることを利用)

AH=BC=4cm とわかります。

 

また、三角形AEF は、三角形AEH と面積が等しいので、

(FHとAE が平行なので) 三角形AEFの面積は、

   3×4÷2=6c㎡

と求められます。